いつもほなみ鍼灸治療院をご利用頂きありがとうございます。
今日は前回の続きとしまして、「鍼が生体に及ぼす影響」について考えていきます。
私たちの身体は、外部からの様々な刺激に反応しながら絶えず恒常性を維持しております。
良い刺激には良い反応が起こり、悪い刺激には悪い反応が起こります。
悪い刺激とは、「精神的な苦痛」や「悪天候や人工的なクーラーなどによる冷え」「反復的なオーバーユースや不良姿勢」などがあります。
これらさまざまな悪い刺激にもある程度の期間は、「耐えて頑張ってくれる反応」が起こりますが、限界をこえると自覚できる症状となります。
これらを改善するには「良い刺激」を入れてあげることが必要となります。
これが、「鍼灸」や「マッサージ」という刺激になります。
では、「鍼灸」や「マッサージ」は体にどのような反応をもたらすのかというと、
➀局所血液循環の改善 ➁ホルモンや自律神経系の働きを整える ⓷疼痛抑制物質の産生を促すなどです。
ちょっと難しい表現が重なりましたが、簡単に言うと体が悪い刺激を受ける前の状態に近づく反応が起こるということです。
しかしそれには、絶対的に必要なもの・・・つまりは改善できるだけの刺激量が必要になってくるのです。
刺激量=刺激の強さ×時間 これですべては決まります。
多くのお客様は、悪くなりきってから来院されることが多いので、少なくとも何をされたかわからないような鍼刺激では変化は起きないのです。
ですから当院では、少し多めの刺激を入れることで反応が起こりやすくしているのです。
勿論、低刺激しか受け付けない人には刺す箇所は極力控え、数か所だけ「響かせる」施術を行います。
このように人によって入力する刺激の強さと時間は調整しますが、短時間でも反応が生まれるために「響き」は必要なのです。
「響く鍼は後がだるくなる」から駄目だ・・・という施術者の方もいらっしゃいます。
しかし、このだるさこそが「体が反応してくれたサイン」なのです。
この気だるさのあとは思い切り休んでみてください。
起きた時の爽快感とともに体がとても楽になっているのがわかります。
それにいつまでもだるさが続くほど、体は馬鹿じゃありませんから・・・。
こうして何度か治療をすることで気だるさもおきにくくなり、良い反応が持続しやすくなってきます。
実際、こういった説明のもとに行う「鍼治療」って意外になされていないケースが多いんです。
だからお客様は、「だるくなった=鍼のせい」ばかりが強く印象に残ってしまい、その後「楽になった」事実を忘れてしまうんです。
少々脱線しましたが、なぜ「響きがない鍼はだめなのか?」・・・少しでもご理解頂けましたら幸いです。