「検査結果が出ましたよ、天野さん。どこも異常はないようです」
「へ? 嘘??」
やって来られたDrと私の会話。
「念のため撮らせて頂いたCTも良く見ました。膵臓の腫れもないし、結石もありませんでした。」
「次に考えられる動脈瘤も心筋梗塞もないですし、悪性の腫瘍ということもないので・・・」
との事。
「じゃあ、この痛すぎるこの状態は何から来るのですか?」と私。
「とりあえず内臓から来るものでないのは確かです。名前を付けるとしたら腰椎椎間板症になるのですが、
ここでは整形分野まではわかりません。整形を受診しますか?」とDrはおっしゃられました。
「腰椎椎間板症」あまりにも漠然とした腰痛一般の診断名です。
「腰を捻られたご記憶はありますか? 心当たりがあればいわゆるぎっくり腰です」とDr。
心当たりが全くなかった私はそれはないだろうと自信がありました。
そもそもここまで痛がるぎっくり腰なんてあるはずが・・・ない? 本当??
私は以前、勤務時代にまったく同じ症例を診たことを思い出しました。
その患者さんも心当たりがなく、救急搬送された結果ぎっくり腰で1週間ほど入院されたと後で聞きました。
とにかく搬送先でもあらゆる検査をしたらしいのですがなにもなかったため確定させるのに難儀したそうです。
兎にも角にも私も緊急性がないというだけで一安心できましたが、相変わらず痛みがひくことはありませんでしたし・・・。
結果的に痛み止めの座薬を大量にもらって病院を後にしたのでした。
しかしその後1週間以上は半端なく痛かった記憶があります。
結局、あの痛みは何が原因だったのだろう?
Drのいうとおりやはりぎっくり腰だったのでしょうか?
しかしもしもあの痛みがぎっくり腰だとしたら治療家としたら財産と言えるでしょう。
幸いそこまでひどいぎっくり腰の患者様はこちらにはいらしたことはないのですが。
こんなことをふと思い出して気恥ずかしくなる寒い1日でした。
皆様もどうぞ「捻った記憶のないぎっくり腰」には気をつけてくださいね。