いつもほなみ鍼灸治療院をご利用頂きまことにありがとうございます。
つい先日、某大手芸能事務所の社長が緊急入院されましたね。
原因は解離性脳動脈瘤によるクモ膜下出血ということでした。
大変急を要する疾患で処置が遅れると命にかかわるとても怖い病気です。
こういった記事を目の当たりにすると、改めて「脳ドック」の必要性を痛感します。
じつは外傷や加齢によって脳に至るまでに最も危険性をはらんでいる場所が「首」なのです。
首には第6頸椎から第1頸椎の間、横突孔いう骨の中の穴を通る「椎骨動脈」というものがあり左右の椎骨動脈が合流して、
頭蓋内で脳底動脈となり脳幹や小脳・大脳の後頭葉、内耳の血液循環につながる生命ルートとなります。
ここに問題があってめまい・頭痛・手足のしびれなどが起こることを「椎骨動脈症候群」といいます。
ここで「穴の中にある」という構造がとても厄介なのです。
ただでさえ首の動きで圧迫を受けやすいうえに、血管内部にプラーク(血栓)があったりするとさらに血流が悪くなりやすいためです。
多くの場合、首にストレスがかかった時にだけめまい・耳鳴り・頭痛・目のかすみなどが起こり、それ以外は無症状のことが多いです。
これを一般的な「頭痛・肩こり」と思って鍼治療したり、カイロプラクティック的な施術をすると取り返しのつかないことになります。
弱った血管を傷つけたり、溜まった血栓が脳に飛んで脳梗塞を起こしたりすることも否定できないからです。
はり・灸治療院でできることは徒手検査と問診くらいしかないのですが、怪しいと思った時は私は必ずこの検査をやってます。
ご高齢である・血圧が高いこともこの疾患との関連性があるので注意が必要です。
お名前は出せませんが、実際に検査陽性で即、精密検査をお勧めしてそのままお帰り頂いた患者様も過去にいらっしゃいました。
実際、さきに挙げためまい・頭痛などの原因は多岐にわたるのでこれに限ったものではありません。
しかしMRI・MRAなどの検査をうけることにより、症状が血管性の異常なのか・脳の病変からくるものなのかがわかります。
ある程度の年齢になったら、自分の脳・血管の状態がどうなっているのか把握することだけでもとても意義のあることだと私は思います。
問題がないと分かったうえで改善のない場合こそ、「はり治療」の出番です。
その時は安心してお任せください。