いつもほなみ鍼灸治療院をご利用頂きまことにありがとうございます。
今回で「知って欲しい大切なこと」もそろそろ佳境に入ります。
まだ「その1」「その2」を読んでない方は先にそちらから読まれることをおすすめします。
先の「その1」では慢性に移行した状態を改善させるには多大な時間が掛かると言いました。
また「その2」では鍼灸治療にかかわらずすべての手技療法でそれを1度の施術で完治させるのは不可能であると言いました。
それゆえに鍼灸の効果が限定的であるともお伝えしました。
さて、「それはなぜでしょうか?」
それは慢性に近づけば近づくほど病態が複雑化するからです。
どういうことでしょうか。
そもそも、人間の体には故障しても元の状態に戻ろうとする「自己治癒力」があります。
これが優位的に働くのが急性期・亜急性期までであり、著しく落ち込んだ状態が慢性期なのです。
簡単にいうと1つの病態が治っていく急性期の機序は極めて単純だからです。
もっというとそこを治すためにストレートに自己治癒力が働いてくれるからです。
対して慢性期とはいわば、本人の自覚がある・なしにかかわらず長期間放置されたなれの果てなのです。
腱鞘炎を例にとると、反復的に指先を使うことにより指先が悲鳴を上げ、手首・肘にまで痛みが及びます。
仕事だから休むわけにいかなので、逆の手を使いだしますが慣れていないので全体が力むことになる。
慣れない不自然な姿勢が長時間続くことで肩や首が凝る。凝りと痛みで心的ストレスが増す。
どうでしょうか。ここまで痛みとストレスが大きくなると辛い場所は何倍になってますか?
これは極端な例でもなんでもなくこういった状況で来院される方が非常に多いのです。
単にぎっくり腰を治そうと体が頑張るのと5倍・6倍の負荷がかかった状態で体が頑張るのは同じでしょうか?
ここでいうからだとはいいかえれば「自己治癒力」のことです。
ここまでくれば、自己治癒力が落ち込んだ慢性期の状態で急性期のそれと同じ期間で治すことがいかに不可能なことかがわかると思います。
あなたは誰かに鍼灸を進められてご来店いただけたのかもしれません。
しかしその方とあなたの疾患や病態は果たして同じだったでしょうか。
そのことをもう一度どうだったか思い出してください。
本来はここで「効果的な鍼灸治療の秘訣」についてお話するつもりでしたが、上記をもう一度理解して頂きたく思いました。
次回は本当に感動の最終回になります。
どうぞご期待ください。