いつもほなみ鍼灸治療院をご利用頂きまことにありがとうございます。
前回の導入編の続きになります。
いきなりですがここで皆様に質問です。
この患者様のやってはいけない選択肢はどれでしょうか。
①まずはかかりつけ医に相談する。
➁近くの整形外科で相談する。
③もう少し様子を見る。
④助言を信じて大学病院などで精密検査を受ける。
正解は③、これ絶対やってほしくありません。
もしこの症状がすい臓がんからくるものであれば一刻を争うからです。
正直、➀も➁もあまりよくはないのですが③に比べればまだましです。
なぜ➀も➁も良くないのか?
➀患者様の伝え方が悪いと整形外科を受診するように言われてしまうことがあります。
ここでは、内臓疾患を診てもらうので必ずそう伝えましょう。
その際、必ずエコー検査とレントゲンは撮ってもらいましょう。
➁上記のとおり、骨の異常を診てもらう目的ではないので受診科が違います。
まあでも行ったからには最低限、レントゲンは撮ってもらいましょう。
というわけで最も取ってほしい行動は④なのです。
しかしこれだけでも正直、すい臓がんだった場合厳しいものがあります。
まず、すい臓の位置は胃の裏側にあるためエコー検査でもレントゲンでも鮮明に映りません。
正確に診断するのであれば、造影CTやMRI,MRCPなどの特殊な検査が必要になります。
しかもこれらの検査が生きてくるのは初期の癌を見つけるために行った時のみです。
痛みが出るほどの癌の場合、癌が進行していることがほとんどです。
最低レントゲンといった理由はレントゲンで何かがわかるくらい癌が進行している可能性があるからです。
この状態からでは5年後生存率などはかなり厳しいものがあるでしょう。
これはすい臓がんに限ったことでは無く癌性疼痛全般的にいえることです。
できれば私ども鍼灸院ではこのような腰痛はかかわりたくないのが本音です。
私がしてあげられることがなさすぎるからです。
このような無力な立場からすると早期発見のための定期検査がいかに大切なのかを実感します。
私は生来のビビりなので定期検査肯定派です。
皆さんはどうお考えですか?
勿論、軒並み腰痛すべてを癌と結びつけるべきではありません。
絶対数は圧倒的に普通のギックリ腰のほうが多いです。
中にはこういった怖い腰痛もあるということ、そして近年増加傾向にあるということ。
そのようなことが少しでも伝われば幸いです。
今回は要点のみに焦点を絞ったために癌の随伴症状の有無といったものには触れておりません。
悪しからずご了承ください。